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蓮の花とカワセミ

 あっという間に7月に入ってしまいました。まだ7月なのにもう真夏並みの暑さですね。

 夏の花といえば蓮の花です。泥沼の中から美しい花を咲かせます。
 人間世界も泥沼のようで、最近は滅入るようなニュースばかりですが、蓮の花を見習い、美しい花を咲かせる心持を抱き続けたいと思います。

 本日は「蓮の花とカワセミ」というテーマで短歌や俳句をご紹介します。
 文末には「蓮」と「睡蓮」の違いについても少しご紹介しておりますので、そちらも良かったらお楽しみください。

◇ ふいと来て見るもうれしや蓮の花
◇ 桃色は弁天様のはちすかな

正岡子規 1867年~1902年
明治時代を代表する俳人。名は常規。俳句、短歌、新体詩、小説、評論、随筆など多方面に亘り創作活動を行い、日本の近代文学に多大な影響を及ぼした。

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◇ 根のことは想はず蓮の華を見る

山口誓子 1901年~1994年
京都府出身の俳人。本名は新比古。高浜虚子に師事。昭和初期に水原秋桜子、高野素十、阿波野青畝とともに「ホトトギスの四S」とされた。

◇ 蓮白しもとより水は澄まねども

千代女 元禄16年(1703年)~安永4年(1775)加賀
江戸時代中期の女流俳人。別号、素園。51歳頃剃髪して千代尼と呼ばれた。加賀の松任 (まっとう) の表具屋福増屋六左衛門 (一説に六兵衛) の娘。

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◇ 君と見し蓮池君を見に行かむ

山口誓子

◇ 風の蓮広し荒海さながらに

阿波野青畝 1899年~1992年
奈良県出身の俳人。本名は敏雄。高浜虚子に師事。昭和初期に山口誓子、高野素十、水原秋桜子と「ホトトギスの四S」と称された。

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◇ 蓮毎に来るべし新たなる夏

夏目漱石 1867年~1916年
日本の小説家、評論家、英文学者。本名、夏目金之助。

◇ うす縁や蓮に吹かれて夕茶漬

小林一茶 1763年~1828年
信濃国生まれ。本名は小林弥太郎、一茶とは俳号。「一茶調」と呼ばれる独自の俳風を確立して松尾芭蕉、与謝蕪村と並ぶ江戸時代を代表する俳諧師の一人となった。

◇ おのずから月やどるべきひまもなく池に蓮の花咲きにけり

西行 1118年~1190年
平安時代末期から鎌倉時代初期にかけての武士・僧侶・歌人。俗名は佐藤義清。

【蓮と睡蓮の違い】
「 蓮 」 しっかりした茎を伸ばし水面より上で花を咲かす。
「睡蓮」 水面に浮くように、水上にひょっこり顔を出すように花を咲かせる。

「 蓮 」 葉は光沢があり、円形で撥水性あり。
「睡蓮」 葉に切れ込みがある。撥水性なし。

「 蓮 」 ヤマモガシ目ハス科 レンコンは「蓮」の根。
「睡蓮」 スイレン目スイレン科 モネの絵

せっかくなので、睡蓮の俳句も少しだけ・・・

◇ 遠く咲く睡蓮ひとつ去りがたし

成瀬櫻桃子 1925年~2004年
岐阜県岩村町に生まれ俳人。本名・冨造1940年より句作。久保田万太郎、安住敦に師事。

◇ 睡蓮のしばらく人を絶ちて紅し

深見けん二 1922年~
福島県出身の俳人。本名は謙二。東京帝国大学卒業。卒業後は日興エンジニアリング勤務。高校時代の1941年より高浜虚子に師事、20歳の頃に深川正一郎の指導を受ける。

以上、いかがでしたでしょうか。

 蓮は7~9月に開花期を迎え、7月中旬~8月中旬に見頃を迎えます。
 蓮の花の命は4日間。早朝花を開き、昼前後には閉じてしまいます。お近くに蓮の花を見られる場所があれば、ぜひ朝のお散歩に愛でにいかれてはいかがでしょうか。

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