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おすすめの本『おおきな木』

 おすすめ本のご紹介第2弾をお送りします。
 皆さんにとって忘れられない絵本はありますか。
 今回ご紹介するのは、
 シェル・シルヴァスタイン著、村上春樹訳、「おおきな木(原題 The Giving Tree)」(あすなろ書房)です。
大きな木表紙

 

 

 

 

 

 

 

 ↑絵本の表紙です。少年が両手をいっぱいに広げてりんごを受けとめようとしている姿が印象的です。

 幼いころに読んでもらったこの絵本をもう一度読んでみたいと思い、久しぶりに手にとってみました。
 この絵本に登場するのは、「おおきな木」と「少年」です。
 読む人によっては、これは恋の物語であったり、友情の物語であったり、親子の物語であったり、捉え方は様々かもしれません。
 私は、この本を読み終わった後、しばらく考え込んでしまいました。
 「木」の立場になって、また、「少年」の立場になって、本当のしあわせとは何かということを。

 とても奥の深い絵本だと思います。

大きな木中身

 

 

 

 

 

 

 この絵本の絵はモノトーンのシンプルな線画で描かれています。シンプルな絵からは、木が少年を想う気持ちが伝わってきます。まるで木が人間であるかのようです。
 著者のシェル・シルヴァスタインさんは、絵本作家として活躍されているだけではなく、ミュージシャンとしても活躍され、なんとグラミー賞を受賞されたのだそうです!
 才能溢れる方なのですね。

 「おおきな木」は、日本では本田錦一郎さんの翻訳版が1976年に出版され、長きにわたり親しまれていました。しかし、本田さんが物故されるなどの様々な事情があり、出版を継続することができなくなったことから、この絵本を是非とも後世に残したいと村上春樹さんが新しい訳をつけ、2010年にあすなろ書房より新訳版が出版されました。絵本のあとがきでは、村上さんが翻訳する事になった経緯や絵本に対する思いについて書かれています。村上さんのあとがきも必見です。
 本田錦一郎さんの翻訳版は、子どもに語りかけるようなやさしい言葉で書かれており、味があって素晴らしいです。図書館等でぜひご覧になってみてください。また、原文(英語版)とも読み比べてみるのも面白いかもしれません。翻訳者によって捉え方やニュアンスがこんなにも変わるのかと驚かされます。日本語の難しさを改めて感じたりもしました。

 子どもに向けて書かれた絵本だからこそ、純粋にストレートに伝わってくるものがあると思います。
 皆さんも、幼いころに読んだ絵本をふたたびお手にとってみてはいかがでしょうか。

 

あすなろ書房「おおきな木」の紹介ホームページ

 

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