堀内法律事務所のブログ「止まり木」にようこそ。

当ブログでは、事務所のスタッフ(+α)が、身近な四季の風景や、思い出の風景、 おすすめの本の紹介などを綴りながら、 ここでちょっと羽休めをしております。

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永遠のスター

 今も国民的人気を博している歌手で俳優の加山雄三さまがまだ若かった頃、日本中の女性たちが彼を愛していました。かくいう私もその一人で、若大将シリーズの映画もせっせと観に行きましたし、歌も大好きで、レコードは発売と同時に買っていました。彼は海だけでなく、星も似合っていました。ヒット曲の歌詞には必ず星が出てきます。参考までに例を挙げると下記の通りです。

 

夜空を仰いで数える星も君のいない
砂浜は淋しいぜ 
         「夜空を仰いで」

 

たった一人の日暮れに見上げる空の
星くず僕と君のふたつの愛が風にふ
るえて光っているぜ
         「蒼い星くず」

 

僕の行く所へついておいでよ
夜空にはあんなに星が光る
         「夜空の星」

 

君のひとみは星とかがやき
恋するこの胸は炎と燃えている
         「君といつまでも」

 

波も夢をみてる星の夜は
僕にゆれる君のささやき
         「お嫁においで」

等々です。

 彼の歌を聴きながら一緒に星空を眺めたいと思ったり、星空の下をどこまでも二人で歩きたいと願ったり、星の輝く夜にお嫁に行ってあげてもいいわと思ったり、ロマンチックな気分に浸っていました。ですから星空といえば雄三さま、雄三さまといえば星空だったのです。このイメージは私の中でかなり長く固定していました。

 しかしそれが変わる時がやって来ました。私は沖縄に旅行したのです。JTBの担当者が沖縄を満喫したいなら離島に行くのが一番と宮古島を薦めてくれました。当時の宮古島はまだ観光化されていなくて、手付かずの大自然がそこにありました。

 眼前に広がるエメラルド色の海と白い砂浜。エメラルド色の海なんてそれまで見たこともありませんでした。海水浴をしても人が少なく、芋の子を洗うようなあの混雑はどこにもありませんでした。グラスボートで海底を見ると、海水が澄んでいるので、熱帯魚のような魚たちや白いサンゴ礁が見られました。

 早めに夕食を済まして浜辺で見る夕暮れは圧倒的でした。空という空を、海という海を真っ赤に染めながら途轍もなく大きな夕陽がゆったりと沈んでいきました。その壮大な眺望は今まさに、太陽神のアポロンが黄金の馬車に乗って天空を駆け抜け、水平線の彼方に消えていったと、本気で思えてくるものでした。

 宮古島に来てよかったとしみじみ思いましたが、大自然の驚異はまだ続きました。夜中にふと目が覚めて、私はバルコニーに出て夜空を見上げました。次の瞬間、私は固まってしまいました。「満点の星」という表現ではすませられない夥しい数の星がびっちりと、隙間なく、空を埋め尽くしていたのです。その光景は星空というより、宇宙を感じさせました。宇宙では地球もこの無数の星の一つです。そして人類が住んでいる唯一の星です。その星に自分が住んでいて、今宇宙を眺めている。何と不思議で神秘的なこと。そんなことを思わせられながら、美しいとかロマンチックなどではなく、畏怖の念を抱いて私は立ち尽くしていました。本当の星空とはこういうものなのだと知った時から雄三さまの星空はどこかに消えてしまいました。

 本年御年八十六歳を迎えた雄三さまは、コンサート活動はやめましたが、まだまだ活躍されています。かつて青春の1ページを飾ってくれた彼に心から感謝していますし、前向きな生き方も健康的なあの笑顔もいまだに大好きです。これからもずっとずっと輝いていてほしいと元フアンの、否、今もフアンの私は願っています。

若大将の懐かしのDVDです。

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